【経済学・経済政策】グラフ問題の解き方まとめ【中小企業診断士1次試験】

試験対策

中小企業診断士1次試験「経済学・経済政策」のグラフ問題は、グラフの形と動きを理解することが正解への近道です。頻出グラフのパターンと解き方をまとめました。

グラフ問題の基本的な解き方

経済学のグラフ問題では、次のステップで考えると整理しやすくなります。

  1. グラフの名前(何を表しているか)を確認する
  2. 縦軸・横軸が何を表すかを確認する
  3. 曲線が「どちらに動くか(シフトするか)」を考える
  4. シフト後の交点(均衡点)がどう変化するかを読み取る

ミクロ経済学の頻出グラフ

① 需要曲線・供給曲線(市場均衡)

グラフの形:需要曲線は右下がり、供給曲線は右上がり。交点が均衡点(均衡価格・均衡量)。

シフトの原因と方向:

要因需要曲線結果(均衡)
所得増加右シフト価格↑・数量↑
代替財の価格上昇右シフト価格↑・数量↑
補完財の価格上昇左シフト価格↓・数量↓
生産コスト上昇供給曲線:左シフト価格↑・数量↓
技術進歩供給曲線:右シフト価格↓・数量↑

② 無差別曲線と予算制約線(消費者行動)

グラフの形:無差別曲線は原点に対して凸の右下がり曲線。予算制約線は右下がりの直線。最適消費点は両者の接点。

ポイント:

  • 無差別曲線が原点から離れるほど効用が高い
  • 所得増加 → 予算制約線が外側に平行シフト → 消費量増加
  • 一方の財の価格上昇 → 予算制約線の傾きが変化 → 代替効果・所得効果

③ 等費用線と等産出量曲線(生産者行動)

グラフの形:消費者行動の生産者版。等産出量曲線(等量曲線)は右下がり凸、等費用線は直線。

最適生産点:等費用線と等産出量曲線の接点(費用最小・産出量最大の組み合わせ)。

④ 完全競争市場の均衡(P=MC)

グラフの形:横軸:生産量、縦軸:価格・コスト。MC(限界費用)曲線、AVC(平均可変費用)曲線、AC(平均費用)曲線。

条件企業の行動
P > AC超過利潤が発生→参入促進
P = AC正常利潤(経済的利潤=0)
AVC < P < AC操業継続(損失は出るが固定費を一部回収)
P < AVC操業停止(損失がさらに拡大するため)

⑤ 独占市場(MR=MC)

グラフの形:需要曲線(D)、限界収入曲線(MR)、限界費用曲線(MC)。MRはDの傾きの2倍で傾く。

独占価格の決め方:

  1. MR = MC となる生産量Q*を求める
  2. Q*に対応する需要曲線上の点が独占価格P*
  3. P* > 完全競争均衡価格(社会的余剰の損失=死荷重が発生)

マクロ経済学の頻出グラフ

⑥ IS曲線・LM曲線(IS-LMモデル)

グラフの形:横軸:国民所得(Y)、縦軸:利子率(r)。IS曲線は右下がり、LM曲線は右上がり。交点が財市場・貨幣市場の同時均衡点。

政策IS/LM効果
財政政策(政府支出増)IS曲線が右シフトY↑、r↑(クラウディングアウト)
金融政策(マネーサプライ増)LM曲線が右シフトY↑、r↓

⑦ AD曲線・AS曲線(総需要・総供給モデル)

グラフの形:横軸:実質GDP(Y)、縦軸:物価水準(P)。AD曲線は右下がり、短期AS曲線は右上がり。

要因曲線物価・GDP
需要拡大(財政・金融緩和)AD右シフトP↑・Y↑
原油価格上昇(コストプッシュ)AS左シフトP↑・Y↓(スタグフレーション)
技術革新・生産性向上AS右シフトP↓・Y↑

⑧ フィリップス曲線

グラフの形:横軸:失業率、縦軸:インフレ率。右下がりの曲線。失業率が低いほどインフレ率が高い(トレードオフ)。

スタグフレーション時:フィリップス曲線が上方シフト(失業率とインフレ率が同時に高まる状態)。

⑨ ラッファー曲線

グラフの形:横軸:税率、縦軸:税収。逆U字型。税率が0%でも100%でも税収は0。最適税率が存在する。

「税率を上げすぎると逆に税収が減る」ことを示す概念。供給サイド経済学の根拠として用いられた。

国際経済のグラフ

⑩ 比較優位と貿易

概念:各国が比較優位(相対的に生産コストが低い財)のある財に特化して輸出し、比較劣位の財を輸入することで両国が利益を得られる(リカード)。

グラフ:生産可能性フロンティア(PPF)を使い、特化前後の消費量の変化を確認。

まとめ:グラフ問題の解答テクニック

  • 「何がシフトするか」「どの方向にシフトするか」を素早く判断する
  • IS曲線:財市場の均衡(投資=貯蓄)→ 政府支出増でIS右シフト
  • LM曲線:貨幣市場の均衡(貨幣需要=供給)→ マネーサプライ増でLM右シフト
  • 完全競争は P=MC、独占は MR=MC で利潤最大化を覚える
  • クラウディングアウト:財政政策→IS右シフト→r上昇→民間投資が減少

経済学・経済政策は「丸暗記より理解」が重要です。グラフの動きを白紙に書けるようになるまで反復練習しましょう。

⚠️ グラフのシフト方向を逆にしない

  • IS曲線のシフト:財政政策(政府支出増)→右シフト、財政緊縮→左シフト
  • LM曲線のシフト:金融緩和(マネーサプライ増)→右シフト、金融引締め→左シフト
  • 供給曲線と需要曲線:どちらがシフトするか、どの方向かを問題文から正確に読み取る

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💡 この記事の活用ガイド

経済学のグラフ問題は「なぜそうなるか」の理解が先決です。①グラフの動きを直感的に理解 ②IS-LM・AD-AS曲線のシフト方向を確認 ③過去問で出題パターンを把握、の順で進めましょう。

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