中小企業診断士の企業経営理論で最も苦労するのが「人名と理論の対応」です。モチベーション理論・リーダーシップ理論・組織論など、似たような理論が多く混乱しがちです。管理人が実際につまずいた箇所を中心に、試験に出やすい人名×理論の組み合わせを一覧でまとめました。
💡 この記事の活用ガイド
- STEP1:まず「欲求系」「プロセス系」など大きな分類を把握する
- STEP2:過去問を解きながら、間違えた箇所をこの表で「逆引き」する
- STEP3:試験直前1週間は「覚え方」列だけを隠してセルフテストを行う
※重要度(★)が高いものから優先的に暗記しましょう!
モチベーション理論(動機づけ理論)
最も出題頻度が高いジャンルです。「欲求系」「プロセス系」に分けて覚えると整理しやすくなります。
欲求系(何が人を動機づけるか)
| 人名 | 理論名 | 内容のポイント | 覚え方 |
|---|---|---|---|
| マズロー | 欲求階層説(5段階) | 生理的→安全→社会的→承認→自己実現の順に欲求は高次になる | 「まず(マズロー)低い欲求から」 |
| アルダーファー | ERG理論 | Existence・Relatedness・Growthの3層。上位が満たされないと下位欲求が強まる「欲求退行」あり | 「ERGはマズローを3つに圧縮」 |
| ハーズバーグ | 二要因理論 | 動機づけ要因(達成・承認・仕事内容)と衛生要因(給与・会社方針)は別物。衛生要因をいくら改善しても動機づけにはならない | 「ハーズバーグは2種類に分ける」 |
| マクレランド | 達成動機理論 | 達成欲求・権力欲求・親和欲求の3つ。達成欲求が高い人は起業家に向く | 「マクレランドは3つの欲求」 |
| マクレガー | X理論・Y理論 | X理論=人は怠惰で強制が必要。Y理論=人は自発的に働く | 「マクレガーはXとY(2択)」 |
プロセス系(どのように動機づけられるか)
| 人名 | 理論名 | 内容のポイント | 覚え方 |
|---|---|---|---|
| ブルーム(Vroom) | 期待理論 | 動機づけ=期待×道具性×誘意性の掛け算 | 「ブルーム=掛け算で動機を計算」 |
| アダムス | 公平理論(衡平理論) | 他者と比較して投入と報酬の比率が不公平だと感じると不満が生じる | 「アダムスは比べる人」 |
| ロック | 目標設定理論 | 具体的で困難な目標+フィードバックでパフォーマンスが上がる | 「ロック=目標を錠でかける」 |
| デシ | 内発的動機づけ | 外的報酬を与えると内発的動機づけが低下する「アンダーマイニング効果」 | 「デシ=外から報酬で動機が出し引き」 |
リーダーシップ理論
| 人名・グループ | 理論名 | 内容のポイント | 覚え方 |
|---|---|---|---|
| レヴィン | リーダーシップの3スタイル | 専制型・民主型・放任型。民主型が最もパフォーマンス・満足度が高い | 「レヴィン=3スタイルのレビュー」 |
| オハイオ州立大学 | PM理論の原型 | 「構造作り(仕事への配慮)」と「配慮(人への配慮)」の2軸 | 「オハイオ=縦横2軸」 |
| ブレイク&ムートン | マネジリアル・グリッド | 「生産への関心」と「人への関心」の9×9のグリッド。(9,9)チーム型が理想 | 「ブレイクは格子(グリッド)を描く」 |
| フィードラー | コンティンジェンシー理論 | リーダーシップの有効性は状況による。リーダーのスタイルは変えられないので状況をリーダーに合わせる | 「フィードラー=状況に合わせてフィット」 |
| ハーシー&ブランチャード | SL理論(状況対応型) | 部下の成熟度(意欲×能力)に応じてリーダーシップスタイルを変える | 「HBはSL(状況)=部下を見てスタイル変更」 |
| バーンズ/バス | 変革型リーダーシップ | ビジョンを示し、部下の価値観・信念を変革する。交換型(取引型)と対比される | 「バーンズは燃える(変革する)リーダー」 |
組織論・意思決定論
| 人名 | 理論・概念 | 内容のポイント | 覚え方 |
|---|---|---|---|
| メイヨー | 人間関係論(ホーソン実験) | 作業効率は物理的条件より人間関係・感情によって左右される | 「メイヨー=人の心を見た(ホーソン)」 |
| バーナード | 組織の3要素 | 共通目的・協働意欲・コミュニケーションの3つがそろって組織が成立 | 「バーナードは3本柱」 |
| サイモン | 限定合理性・満足化原理 | 人は完全合理的ではなく「十分に満足できる」選択肢を選ぶ | 「サイモンは満足(サ)で決める」 |
| マーチ | ゴミ箱モデル | 組織の意思決定は問題・解・参加者・選択機会が偶然交わるゴミ箱的プロセス | 「マーチはゴミ箱に投げ込む」 |
| チャンドラー | 「組織は戦略に従う」 | 企業の成長戦略の変化(多角化など)に応じて組織構造も変わる | 「チャンドラー=戦略→組織の順番」 |
| アンゾフ | 「戦略は組織に従う」 | チャンドラーへの反論。既存組織の制約が戦略を決める側面もある | 「アンゾフはチャンドラーに反論」 |
知覚・認知・学習理論
| 人名 | 理論名 | 内容のポイント |
|---|---|---|
| フェスティンガー | 認知的不協和理論 | 矛盾した認知が同時に存在すると不快(不協和)が生じ、それを解消しようとする |
| スキナー | 強化理論(オペラント条件づけ) | 望ましい行動を強化(報酬)し、望ましくない行動を罰する。部分強化が最も持続的 |
| バンデューラ | 社会的学習理論 | 他者の行動を観察・模倣(モデリング)することで学習できる。自己効力感(セルフエフィカシー)の概念も提唱 |
まとめ:混同しやすいペアの整理
| 混同しやすいペア | 違いのポイント |
|---|---|
| マズロー vs アルダーファー | マズローは5段階・一方向。アルダーファーは3層・退行あり |
| マクレランド vs マクレガー | マクレランドは3つの欲求(達成・権力・親和)。マクレガーはXとY理論(2択) |
| ブルーム vs アダムス | ブルームは掛け算の期待理論。アダムスは他者との比較(公平) |
| フィードラー vs ハーシー&ブランチャード | フィードラーはスタイル固定→状況を変える。HBはスタイル自体を変える |
| チャンドラー vs アンゾフ | チャンドラー「戦略→組織」。アンゾフ「組織→戦略」(逆) |
この一覧を繰り返し眺めることで「この名前が出たらあの理論」という反射的な引き出しができるようになります。スタディングの問題演習でこの表を横に置きながら解くと定着が早かったです。
試験の「ひっかけ」パターン対策
企業経営理論では、「理論の内容は合っているが、人名だけ入れ替わっている」という選択肢が頻出します。特に注意すべきパターンを押さえておきましょう。
- ブルーム(期待理論)とアダムス(公平理論)の混同
- フィードラー(条件適合理論)とハーシー・ブランチャード(SL理論)の混同
- ポーター(競争戦略・バリューチェーン)とアンゾフ(製品×市場の成長ベクトル)の混同
- マズロー(5段階欲求)とアルダーファー(ERG理論)の混同
「誰が何を言ったか」のペアを反射的に出せるまで、この表を繰り返し確認することが合格への近道です。



コメント